Jira におけるワークフローのベスト プラクティス

ワークフローを反復する

ワークフローを計画するのは大事なことですが、最初から完璧なワークフローの作成を目指す必要はありません。チームは変化するものですし、Jira はその変化に適応できます。重要なのは、その時点でベストなワークフローを作成して、チームからのフィードバックや変更に基づいて反復していくことです。

これは直観に反するように思えるかもしれません。特に、チームがアジャイル作業に慣れておらず、設定した後はワークフローを忘れたい場合はなおさらです。Jira ワークフローは、現時点のチームのニーズに応えるために用意されています。その時のニーズに適応するためのツールです。チームの進化に伴ってワークフローも進化します。

ワークフローの作成時に関係者を参加させる

管理者がワークフローの作成にチームを関与させない際に、そのワークフローはチームにとって最適なワークフローではない可能性があります。ワークフローを構築する際は、ユーザーのために行うことが重要です。あなたが構築したワークフローを使って作業するのは他ならぬユーザーなので、彼らにとってベストなワークフローを構築しましょう。

そのためには、チーム内のそれぞれのロールの関係者を参加させることをお勧めします。分野横断的なチームには、次のようなロールがあります。

  • プロダクト マネージャー

  • ソフトウェア エンジニア

  • 製品デザイナー

  • コンテンツ デザイナー

  • 品質保証エンジニア

各ロールの担当者を招いて、彼らの作業への取り組み方を確認します。ワークフローの作成後は、その担当者が満足していることを確認しましょう。こうした手順を怠るとユーザーが使用しないステータスやトランジションが設定されて、チームの作業効率を上げるための重要なワークフロー ルールを見逃してしまう可能性があります。

その後、チームのフィードバックを受け取って、工程を繰り返します。Jira で実際に作業するユーザーの声を重視しましょう。

万人向けではなく自分のチームに特化したワークフローを作成する

一部のチームではすべてに適したワークフローを作成して、そのワークフローにわずかな変更を加えて課題タイプ間で複製する場合があります。チームによっては、この方法がうまく機能しない可能性があります。たとえば、ある課題タイプで機能するステータスとトランジションが、別の課題タイプでは機能しない場合があります。課題によっては、特定のステータスやトランジション、さらにはその課題に対してのみ機能する制限や自動化が必要になる場合もあります。テンプレートは作る際は型を活かせますが、チームにとって最も効果的なワークフローになるとは限りません。

それでも、すべてに適したアプローチは魅力的であり、作成も容易です。しかし結果的にチーム内のユーザーは自分のためではなく、他の誰かのために作られたツールを使って作業することになります。管理者の仕事がチームのユーザーに対してサポートを提供することであることを忘れないようにしましょう。それは、チームが喜びと調和を持って作業を行える環境を整えることです。管理者は、自分が簡単に作成できるワークフローではなく、チームのユーザーにとって効率的なワークフローを作成するべきなのです。チームが Jira で毎日作業することを考えると、最初にその努力を行うことによって、長期的に大きな効果が得られます。

すべてに適したアプローチがお勧めできないのであれば、どのように取り組めばいいのでしょうか?

その答えは、ゼロから構築することです。既存のあらゆるテンプレートを一旦忘れて、チームと話し合いましょう。チームが進めるステップを把握して、それを Jira に落とし込みます。チームの各ロールの担当者に相談して、彼らのニーズが満たされていることを確認します。最適なワークフローは、万人向けではなく自分のチームに特化するように調整されたものです。これは容易なことではなく時間も要しますが、チームにとって最善のアプローチとなるでしょう。

Jira でワークフローをセットアップする方法をご確認ください。

ワークフローをシンプルに保つ: ステータスとトランジションを制限する

チームのプロセスのあらゆる部分にステータスを追加すべきだと考えるかもしれません。実際、Jira ではこれをサポートしています。ただし、あらゆるものにステータスとトランジションを追加すると、ワークフローにおけるチームの作業がより複雑化することにご留意ください。スピードを重視する場合は、プロセスをシンプルに保ちましょう。

チームの作業方法をマッピングした後は、必要なステータスとトランジションのみを含めます。ステータスとトランジションが多すぎるワークフローは、理解し辛い場合があります。ワークフローで作業するチームが理解しやすく、使いやすいものである必要があります。

ワークフローをテストする

テストを十分に行わないと、修正が困難なエラーを多数含むワークフローになってしまいます。一方、テストを早期に何度も実行すると、効率が下がります。テストの目的はバランスの調整です。厳格なルールはありませんが、通常、ワークフローのテストには 2 つのステージがあります。

1. 新しいワークフローを別のプロジェクトまたはインスタンスでテストする

チームがワークフローを使用する前に、すべてが適切に機能しているかを確認する必要があります。このテストを実行するには、ワークフローを次の場所にコピーします。

  • 別の Jira プロジェクト

  • 別の Jira サイト (ある場合)

いずれの場合も、テストを行うにあたってプロジェクト内のユーザーに影響を与えない場所を Jira 内に配置する必要があります。そこでサンプル課題を作成して、ワークフローの各ステップを手動で実行します。テストでは次のような項目をチェックします。

  • ステータスとトランジションが意味をなしているか

  • ワークフローの特定のステップで課題が中断しないか

  • ワークフローのルールが正常に動作しているか

  • チームの各ロールの担当者がワークフローをどのように進めるか

2. 実際のプロジェクトでチームとテストする

テストは継続的なプロセスです。

ワークフローを Jira に取り込んだ後で、チームは思わぬ問題に直面するでしょう。だからこそ、実際にワークフローを使用するユーザーのフィードバックが重要となります。

毎日、または毎週のテストは不要ですが、できる限り頻繁に実行しましょう。使用するツールや作業方法に関するミーティングがある場合は、チームにとってワークフローがうまく機能しているかどうかを必ず話し合ってください。

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